引きこもりや不登校が増えている。私自身の中高生の頃を思い出した。当時早く70歳になりたいと思っていた。「努力すればそれなりに報われるが、これから果てしない頑張りが求められる。老いたら、この闘争から解放される。」
ポストモダンの現代、確かに自分を構築していくのが難しくなった。社会学者のアルベルト・メルリッチがいう通り、私達に浴びせられるメッセージの大洪水の中で、「私達は無数の選択肢の増殖の中で、複数的な自己であることを余議なくされる。そしてアイデンティティの理念は衰微する★)。」
情報の氾濫する中、自分は何者なのか、呆然と立ち尽くす若者に伝えたい、「老いて人生を振返り思う、努力すれば相応の報酬は確かにある。だがそれ以上に、一方的に与えられたものの方が人生をつくってきた。友人との出会い、先輩からの予期せず与えられた助言など。人生での出会いを大切にしてほしい。また無数の選択肢の前で一つを選ぶ時、貴方は全人格・全責任をかけて選ぶのだ。その結果落胆したり、失望することがあるだろうが、貴方らしく誠実に向き合って欲しい。人生は目から鱗の連続で、貴方が思うよりはるかにドラマチックだよ。」
★)Alberto Melucci. The Playing Self(浅見克彦訳). Cambridge University Press、1966
ポストモダンを生きる
