雪よりも白く

エッセイ

静岡生まれ、三重在住の私が雪を見るのは年に1,2度しかない。ひと晩で一変する雪景色は滅多に見れないが、そのたびに私はダビデの祈りを思い起こす。
「ヒソプをもって私の罪を除いて清めてください。そうすれば、私は清くなりましょう。私を洗ってください。そうすれば、私は雪よりも白くなりましょう。」(旧約聖書詩編51篇7節)
ダビデは、自らが犯した罪は汚いものだが、神がそれを雪よりも白くしてくださると告白し、感謝の祈りをささげている。これは普遍的な祈りであって、地上の多くの人々が癒され、清められている。
人は全くの無知で生まれ、成長と発達の途上で自身をたえず更新していく。スムーズにいくことは稀であって、敵意、争い、そねみ、怒り・・に見舞われる。こういう形態でしか生きていくことできないのは、我々の宿命なのだろう。
神はこの世を憐み、我々の心を洗い清めてくださる。「神よ、世の中に雪ほど白いものはないと思うのですが、あなたは私の心の汚れを、この雪よりも白くしてくださるのですね。」
天地創造の神は、雪を私達に示し、清さにあずかる幸いを説いていてくださっておられるに違いない。

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