人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドラインは改訂されて10年になる。医師として、さらなる改訂を希望する。
確かに「本人の意思は変化しうるもの」である。しかし、私達でも人生の重大な決定に際して確信をもって決めているだろうか。4対6くらいで、辛うじて決めることが多いのではないか。決めた後、責任を負うのは本人であることを重視したい。リスクを負う本人の意思こそが守られるような法制度改革を期待する。
「本人の意思を確認することが最も重要」。しかし、本人が熱心に介護する家族・介護者を慮って自らの意思表出にフタをしてしまうことはないだろうか。
「本人が意思表明できない時、特定の家族等を自らの意思を推定する者として定める」とあるが、推定できても実施は難しい。私が大学生の頃、父が臨死期におちいった。主治医が、「どこまで延命を希望しますか」の問いに、私は徹底的な延命をと返答した。父は健常な時から単なる延命は拒否すると私に伝えていた。「まだ別れたくない」これが家族の思いだ。本人の意思を最も知るはずの家族が、真逆を希望することがあることを、自身の体験から知った。
