私達が難問にぶつかると

エッセイ

私達が難問にぶつかると、とるべき対策は3つあると思う。全力で立ちむかう。適当に対応する。そして、三つめは、問題の存在を認知しないことだ。
思えば私達は、この三つめの方法を頻繁に使用している。たとえば私達が長い人生を歩んできて失敗も後悔も山のように積み上げてきたとしよう。人生の終末期になって、これへの対処の仕方でひとつの有効な手段は、認知症ではないだろうか。無論、意図的になれるわけではないが、どうにもならなかった人生の問題を、その人流に解決しているように私には思える。
個人が認知症を解決法とするのは、その方の自由だが、こと為政者に関してはそういうわけにはいかない。現代社会は、頭をかかえるような難問に直面している。年寄り達が、頭を寄せ合ってどうにもならない、解決の糸口がみつからないでもがいている。そんな時、認知しないという解決方法を無意識に採用してはいないだろうか。
彼らにぜひ思い起こしてほしいことがある。幼い子供達が、明るい未来を待っていることを。そのために深刻な問題ほど、核心的な病根をえぐり出してほしい。最期のちからを出し切って。

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