いつまで生きるのか?

エッセイ

高齢の方々と話していて、しばしば次のように問われる。
「はやくお迎えがきてほしい。いつまで生きていなければいけないのか。」
どのように返答すべきか、戸惑いつつ、次のように応えるのが精一杯だ。
「寿命は神様から与えられたものです。必ずその時は来ます。それまで、貴方らしくしっかり生きていきましょう。」
老いてなお命が与えられても、その命を燃焼させる対象がない。さらに命はあっても、辛うじて生きていけるだけのエネルギーしか残されていない。
きっと私達後輩も、その時がきたら、先輩達と同じようなことを口にするのだろう。
いつか必ずくるその時、人生を振り返りつつ願うことはただ一つ。「自分らしく、しっかり生きてきたなあ」こういう満足感や納得だ。
高齢者を大勢みてきたある介護施設の施設長が言った、「私達は生きてきたように死んでいく」。
他者からの評価などどうでもいい。自分らしく正直にしっかりと生きる。その先に、自分の満足と納得の最期があるのだろう。

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