「夜と霧」(ドイツ強制収容所の体験記録)の著者フランクルは言った、「人生に生きる意味を問うてはならない。人生が私達に問うている。」
生と死について考え悩む若者達にこの言葉を具体的に説明したかったが、今までできないできた。しかし、先日、インターネットの動画サイトY0UTUBEを見ていて、これだ!と思えるシーンを見つけた。
高齢のピアニスト、クラウディオ アラウが指揮者に脇を支えられながら壇上にあがった。そしてベートーヴェンのピアノ協奏曲をひきあげたのだった。
往年の大ピアニストは、共演した多くの団員のミスを許し受け入れただろう。また彼自身、若い時のテクニックを失ない、納得できなかったかもしれない。
生きる意味がわからないと悩む若者に話したい、私達は今日という舞台上で問いかけに答えねばならない。ちょっと押したら倒れそうな、こんなお爺ちゃんでも必死に答えている。人生からの問いに答える時、大切な事は他人のミスや自分の不甲斐なさを許す優しさではないだろうか。そして納得できなくても、次を待つ忍耐だと思う。
2008年3月18日