自殺を考えている若者へ

エッセイ

拝啓 何か言葉をかけたくて一筆啓上いたします。
シェークスピアは言いました、「人生は舞台だ」と。私達はいつでもこの舞台から自らの意思で降りることができます。
悲しいから降りるのでしょうか。辛いからでしょうか。私はこの年になって気付くのですが、何か耐え難いことがあるから降りるなら、この世ではいくつ命があっても足りません。
中には誰にも気づかれず、消えたいと願う方もおられるかもしれません。でも無理です。その後、深い悔恨とともにあなたのことが家族や同級生の記憶に刻まれます。
降りる前の役回りが大切です。家族や仲間に、自分の辛い状況を語るという演技です。いやなら一人芝居でいいです。最後列の観客にも聞こえる明確な声で伝えるのです。
泣きながらでも、この世への恨みをぶつけてもいいです。あなたのありのままを語ってください。大事なことは、正直であることです。
私は信じています。あなたの演技に、必ずどこからか拍手が起こます。そして場面がかわります。人生は舞台なのですから。    敬具

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