自分感覚磨き認知症を予防

エッセイ

認知症の代表であるアルツハイマー病は、最近の研究では、 「自分自身の感覚」の中枢が、最もはじめに障害されるそうだ。確かにアルツハイマー病の患者さんは、病初期から本来の自分を失っていくように思う。
この「自分の感覚」を鍛えることが、計算ドリルや食事療法などよりも、認知症の予防により効果があるのではと思う。
予防に気を使うようになるのは、無論、中高年者であろうが、私はもっと若い頃から必要ではないかなと思う。
現代社会では、本来の自分とは何か、ますますわからなくなる傾向にある。私達はインターネット上にある仮想世界に身を置くことができる。また私達の周囲の情報が膨大すぎて、まるでサーフィンのように情報の波に身を任せている。
「自分自身の感覚」を維持し磨くことは、今後、難しくなるように思う。次のように自分に問いかけることがいかほどの効果があるかわからないが、自問自答する習慣は、きっと何がしかの効き目があると思う。
「私は誰か、今どこにいるのか、どんな人か」「多くのことを学んできたが、結局、私自身の考えは何か」。

(自分感覚の中枢に関する論文は以下です。両方との神経関係で権威ある雑誌です。
★ Minoshima S, Giordani B, Berent S, et al. Metabolic reduction in the posterior cingulate cortex in very early Alzheimer’s disease. Ann Neurol 1997;42:85-94
★Sterling C. Johnson, Leslie C. Baxter. Neural correlates of self-reflection. Brain 2002; 125:1808-1814)                  (2007/5/24)

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