臨床医が研究するという悲哀

お知らせ

我々臨床医は日常、多くの疑問に囲まれる。例えば私の神経内科では、なぜパーキンソン病患者は風邪をひかないのか。なぜリウマチ患者はアルツハイマー病にならないのか等。しかし、我々は問題としない。問題にすると立ち止まり日常診療が滞ってしまうからだ。昨年、IMAに30年来の研究論文がアクセプトされた。以下を前もって知っていればよかったと思った。
研究を生業にしない臨床医は、研究はプライベート タイムですること。ある日曜日、「今日は一日論文を読む」と妻に言ったら「家族を放置してまで価値あること?」と問われた。何を言ってもダメだと思ったが、今は大きな誤解をしたと後悔している。我々臨床医が研究する際、家族を優先しよう。臨床医にとって研究とはクラブ活動のようなものなので。
研究は孤独でないとできない。国際誌に投稿する場合、新たな知見に取り組むわけなので、周囲に相談相手はいないと思った方がよい。
貯金しょう。英訳はnativeに依頼して格調高い英文にしてもらわねばならないので。
journalに投稿し、査読者からいただくコメントは、辛辣な批評ほど意義深い。impact factorは無視しよう。研究と投稿先とはいわばお見合。結婚にランキングがないように研究も同じ。
多くの苦労を乗り越えて研究を完遂できた時、後輩達に教訓を語りたくなった。しかし自慢話と受け取られないように注意しよう。

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