エッセイ

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出る杭は叩かれなければならない

「出る杭は打たれる」とは、能力が抜きん出ている人や、さし出たことをする人は、制裁を受けるという意味だ。日本社会の閉鎖性を表す言葉だと受け止めてきた。しかし私は最近、「出る杭は激しく打たれなければならない」と思うようになった。 歴史上、卓越し...
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モナリザの微笑

レオナルド・ダ・ヴィンチが、なぜモナリザを描いたのか、わかった。無論、私が勝手に考えていることだが。 ダ・ヴィンチは「最期の晩餐」など、宗教作品を描いた。ということは、彼は聖書を熟読していた。新約聖書ガラテヤ人への手紙5章22節「聖霊の実は...
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死なないかぎり No Problem (詩)

父も母も泣いていた。 兄弟たちも私を嫌い、友人も皆、去った。 でも思う、死なないかぎり No Problem 入社して過労が続いた。絞りカスから、エネルギーがさらに絞り取られた。まるでぬけがら。 でも思う、死なないかぎり No Probl...
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美しい5月に

独身の若い皆様へ。心地よい5月、聞いてほしい曲があります。詩人ハイネの詩に、シューマンがつけた「美しい五月に」という曲です。歌詞はこうです。 素晴らしく 美しい五月に あらゆるつぼみが開き 僕の心の中にも愛が花咲いた 素晴らしく美しい五月...
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知というバベルの塔の崩壊

人間はいつからか言語を用いるようになり、紀元前150年ほど前に紙を発明した。これを契機に本格的な人間の「知」の蓄積が始まったと思う。 これを大きな図書館建設にたとえると、新しい知識や技術を整理して記載し、そこに保存してきた。その後、この知の...
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我々の行き先なき旅

世の中には、さまざまな問いがある。ゴーギャンの絵画で有名な「我々はどこから来たのか。 我々は何者か。 我々はどこへ行くのか。」この問いは特別だと思う。 社会は、私達に対して「その問いは無視しろ」と命じてくる。学生が先生にこれを問いかけたら、...
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老境にあって見出す幸せ

19世紀のドイツの詩人アイフェンドルフは、老夫婦を美しく詠った。 間もなく、眠りの時がくる こちらにおいでこの孤独の中で 私たちがはぐれてしまわないように  * しかし、寿命が延び認知症になる老人が増えた現代をみて、彼はどのように老境をみる...
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真摯の結果に真摯似合う

国会答弁で、議員達が「真摯に受け止める」などのように、真摯という言葉を頻繁に用いられるのを耳にする。日本語として、誤りではないかもしれないが、気になっている。 辞書によると、真摯とは「真面目でひたむきなこと」とある。真面目でひたむきとは、他...
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表情伝えるマスクマナー

マスク着用が普通の現代、人の表情がわからないため、コミュニケーションの何らかの重要な要素が欠落していると感じている。それは何か考えてみた。 マスク着用がまだ喚起される前、介護施設の職員から聞いたことだが、数分前のことを忘れてしまう重度の認知...
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患者の意思を最上位におく議論を

ALSに関係する嘱託殺人事件は、2004年に横浜でもあった(1)。ALSだった40歳の長男に懇願され、母親が人工呼吸器を止めた。嘱託殺人罪で執行猶予付きの判決をうけたが、母親は悩み、「長男の所に行きたい」と夫に懇願した。致し方ないと考え、夫...
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