笑い話 (11)男のダマシ

お知らせ

(小津安二郎の映画 秋刀魚の味 を見て)
私が研修医の時、胃内視鏡の指導を受けていた時でした。何というか半分は厳格、半分はジョークの先生でした。ある日、私が「胃の調子が悪いので検査してください」とお願いしました。最後の患者さんが終わってすぐ検査してくてました。検査中にその所見を実に的確に述べて私が必死に書き留めていましたが、その時は私がただ聞くだけでした。内視鏡はスムーズに通ってラクでしたが、そのあと驚きました。指導医は所見をこう言いました、 「これはだいぶ進行している。スキルス(見つけにくい進行胃がん)の可能性が高い。もう末期だから治療法がない。遺書をしっかり書いておきなさい。」私のノドにはチューブが入っているので何も問いかけられませんでした。私は頭が頭が真っ白。あまりのショックでボーゼン。そして検査終了後、指導医の彼が「何の異常もありません。オワリ。」
ジョークでもショッキングでしたが、今から思い返すと、宣告される患者の心理を体験する指導だったのかな—-?!

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