日本国憲法13条

エッセイ

日本国憲法13条、「すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。」ここを読みながら、感動したり、時には慰められたりしている。
この条文の起草に際し、GHQなど外国の憲法学者がいかほど関与していたか私にはわからないが、振り返ると人間の人権獲得にはまことに長い歴史があった。次に掲げるような革命のたびに、多くの血が流されたのであり、発せられる宣言には、重い意味がある。
イギリスのマグナ・カルタにはじまり、権利請願、人身保護法、権利章典。アメリカ独立革命の独立宣言では、「すべての人間は、その創造主によって、生命、自由、および幸福の追求を含む不可侵の権利を与えられている」。フランス革命後の世界人権宣言の第六条には、「全ての市民は、法の下の平等である」。第2次世界大戦後の国連憲章前文、「寛容を実行し、且つ、善良な隣人として互に平和に生活し、国際の平和及び安全を維持するためにわれらの力を合わせ、・・・」。
憲法13条を読みながら、ほんの些細な私事であるが、次のように自らに言い聞かせている。「一人息子が、名も知らない外国に単身、出発しようとしている。彼はひとりで食べていけるのか父親としてはまことに心配だ。しかし、それが彼にとって幸せを追求することであるなら、親として最大の尊重を必要とする」のだなあ・・・と。

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