冬のソナタのヨン様へ

エッセイ

拝啓 ヨン様

我が家の女性達は、今やあなたに夢中です。何が魅力なのかと問うたら、妻が優しさよと言いました。
男でありながら、汗臭さを感じさせないヨン様を心で「甘すぎる」と思い、年頃の娘達に、「いい男を見すぎてはいけない。現実を受け入れられなくなるから」と注意したものでした。しかし、ひとりでこっそりテレビを見て、私もあなたに夢中になってしましました。
日本・韓国を問わず、女性達の社会進出は目覚しいものがあります。力仕事以外、すべての分野で女性が男性を凌駕する勢いです。「俺達にこそ、やさしくして欲しいよ」、多くの男達のぼやきが聞こえてきそうです。
変貌していく社会の中で、男女のあり様も知らず知らずに変わっていくでしょう。しかし、女性がいかに強く見えようとも、「彼女達は愛され、やさしくされる存在なのです。そういうことを男達は忘れないで欲しい」と語っておられるようい思います。
冬のソナタにこめられたこの強いメッセージに、心から感謝します。貴殿のさらなる御成功を願い、次回は男の立場で、泥臭く演じられるように期待いたします。敬具              (朝日新聞に掲載)

タイトルとURLをコピーしました