女房の小言に夫達は敬意を

エッセイ

なぜ妻はしばしば夫に小言を言うのだろうか。これは世界中の夫婦に共通して存在する現象なのだと思う。このことを脳の構造上の男女差を考えていて、ひとつの理由に思いいたった。
脳は各部にそれぞれ役割がある。左右の脳を連絡する神経の束は、女性の方が太い。このことは女性の方が左右の脳を行き来する情報が、男性より圧倒的に多いことを意味する。
そう考えると、納得いくふしがある。井戸端会議中の女房たちに、あるひとつのデータを投げ込むと、それは絶え間なく彼女達の頭の中を行き来して止まることがない。
有史以来、男たちは未知の世界に突き進んで開拓してきた。それが人間に有益かどうかを、女房達が時間をかけて左右の脳の隅々までデータを行き渡らせて、検証してきたのではないだろうか。そして、有益なものだけを子供達に手渡してきたのだろう。
ここで疑問がある。男女のこの機能分化は、神が人間に与えたものなのか。それとも、アダムとイブが神から離れ自力で世界を拡大していく過程で必然的に備わったものなのだろうか。
いずれにしろ、夫は妻の小言という機能に敬意を払う必要がある。
(2007/4/6)

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