渡辺佳夫

エッセイ

死なないかぎり No Problem (詩)

父も母も泣いていた。兄弟たちも私を嫌い、友人も皆、去った。でも思う、死なないかぎり No Problem入社して過労が続いた。絞りカスから、エネルギーがさらに絞り取られた。まるでぬけがら。でも思う、死なないかぎり No Problem生きる...
エッセイ

美しい5月に

独身の若い皆様へ。心地よい5月、聞いてほしい曲があります。詩人ハイネの詩に、シューマンがつけた「美しい五月に」という曲です。歌詞はこうです。素晴らしく 美しい五月にあらゆるつぼみが開き僕の心の中にも愛が花咲いた素晴らしく美しい五月にあらゆる...
エッセイ

知というバベルの塔の崩壊

人間はいつからか言語を用いるようになり、紀元前150年ほど前に紙を発明した。これを契機に本格的な人間の「知」の蓄積が始まったと思う。これを大きな図書館建設にたとえると、新しい知識や技術を整理して記載し、そこに保存してきた。その後、この知の図...
エッセイ

我々の行き先なき旅

世の中には、さまざまな問いがある。ゴーギャンの絵画で有名な「我々はどこから来たのか。 我々は何者か。 我々はどこへ行くのか。」この問いは特別だと思う。社会は、私達に対して「その問いは無視しろ」と命じてくる。学生が先生にこれを問いかけたら、「...
エッセイ

老境にあって見出す幸せ

19世紀のドイツの詩人アイフェンドルフは、老夫婦を美しく詠った。間もなく、眠りの時がくるこちらにおいでこの孤独の中で私たちがはぐれてしまわないように  *しかし、寿命が延び認知症になる老人が増えた現代をみて、彼はどのように老境をみるのだろう...
エッセイ

真摯の結果に真摯似合う

国会答弁で、議員達が「真摯に受け止める」などのように、真摯という言葉を頻繁に用いられるのを耳にする。日本語として、誤りではないかもしれないが、気になっている。辞書によると、真摯とは「真面目でひたむきなこと」とある。真面目でひたむきとは、他者...
エッセイ

表情伝えるマスクマナー

マスク着用が普通の現代、人の表情がわからないため、コミュニケーションの何らかの重要な要素が欠落していると感じている。それは何か考えてみた。マスク着用がまだ喚起される前、介護施設の職員から聞いたことだが、数分前のことを忘れてしまう重度の認知症...
エッセイ

患者の意思を最上位におく議論を

ALSに関係する嘱託殺人事件は、2004年に横浜でもあった(1)。ALSだった40歳の長男に懇願され、母親が人工呼吸器を止めた。嘱託殺人罪で執行猶予付きの判決をうけたが、母親は悩み、「長男の所に行きたい」と夫に懇願した。致し方ないと考え、夫...
エッセイ

ぶっ壊せガンジガラメ 

産業医としてある高等学校を訪れ、50年ぶりに教室に足を踏み入れて驚いた。「同じ椅子、同じ机・・・・昔と変わっていないなあ」と思った。昔は授業中、じっと座っていなさいといわれ、それが教育なのかと信じた。しかし個人の特性が尊重され、テーラーメイ...
エッセイ

雪よりも白く

静岡生まれ、三重在住の私が雪を見るのは年に1,2度しかない。ひと晩で一変する雪景色は滅多に見れないが、そのたびに私はダビデの祈りを思い起こす。「ヒソプをもって私の罪を除いて清めてください。そうすれば、私は清くなりましょう。私を洗ってください...