エッセイ

危うい均衡下の平和

終戦後の我が国は、戦争の記憶が平和希求の力になっていた。今の世界情勢をみつつ、その力のない者のひとりとして、平和とは何か考えてみた。 「平和とは、北朝鮮のミサイル発射、日米の防衛費の増大、核保有国の核兵器禁止条約反対など、一触即発の緊張に包...
エッセイ

統計という嘘

ある薬の有効性を立証するには、統計という手法を用いる。しかし研究チームの医師達が、その解析を製薬メーカー側の専門家に丸投げしたことが問題になっている。 19世紀のイギリスの首相ディズレーリは言った、「世の中には3種類の嘘がある。嘘、大嘘、そ...
エッセイ

知というバベルの塔の崩壊

人間はいつからか言語を用いるようになり、紀元前150年ほど前に紙を発明した。これを契機に本格的な人間の「知」の蓄積が始まったと思う。 これを大きな図書館建設にたとえると、新しい知識や技術を整理して記載し、そこに保存してきた。その後、この知の...
エッセイ

心から病気になりたがっている人たち

この社会には心から病気になりたがっている人たちがいる。仮病ではなく、病気になりたい、そのほうが都合がいいと願っている方達だ。こういう思いは、特殊ではない。こころからよくなりたいと願いながら、実際ではそういう生活になっていない。ごく普通の私達...
エッセイ

私達が難問にぶつかると

私達が難問にぶつかると、とるべき対策は3つあると思う。全力で立ちむかう。適当に対応する。そして、三つめは、問題の存在を認知しないことだ。 思えば私達は、この三つめの方法を頻繁に使用している。たとえば私達が長い人生を歩んできて失敗も後悔も山の...
エッセイ

日本国憲法13条

日本国憲法13条、「すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。」ここを読みながら、感動したり、時には慰められたりしている...
エッセイ

女性達、とくに母親は疲れてはいけない

パーソナルコンピューター(PC)の解説書によると、部品で最も重要なものは、基盤(マザーボード)らしい。中央処理装置(CPU)こそ重要だと思っていた私にとっては意外だった。たしかに、基盤は各部品を連携させて、そのPCに固有の機能と個性を与えて...
エッセイ

苦悩で神見たベートーヴェン

ベートーヴェンの第九を聴いた。この曲を耳にするたびに、なぜ彼が自殺を考えるほど苦悩したのかと思う。 自らの才能に目覚めた若い頃、彼はきっとこのように祈ったと思う、「神よ、悩める人々に生きる希望を与える音楽を作れるよう導き給え」。 しかし、聴...
エッセイ

多様な言語 = 人間

中国語、日本語、英語を話すある中国人歌手がラジオで次のように話していた。「それぞれの言葉を話していると、性格が変わる。広東語では、まくし立てるようにしゃべるが、日本語では礼儀正しくなり、英語では友好的で率直になる。」 体系的に整った言語が発...
エッセイ

アダムがエバをもう一度許す時

人間の歴史を振り返ると、そこには戦争、憎しみ、死、略奪など、あらゆる悪が大河のように流れている。もし、この流れを遡上して、はじめの悪の一滴にたどり着けるとするなら、私はそれはきっと「アダムとイブ」が犯した罪であろうと思う。 アダムとイブが...
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