エッセイ

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不確かさの中で真摯に生きる

ある薬の有効性を立証するには、統計という手法を用いる。しかし研究チームの医師達が、その解析を製薬メーカー側の専門家に丸投げしたことが問題になった。 19世紀のイギリスの首相ディズレーリは言った、「世の中には3種類の嘘がある。嘘、大嘘、そして...
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自殺を考えている若者へ

拝啓 何か言葉をかけたくて一筆啓上いたします。 シェークスピアは言いました、「人生は舞台だ」と。私達はいつでもこの舞台から自らの意思で降りることができます。 悲しいから降りるのでしょうか。辛いからでしょうか。私はこの年になって気付くのですが...
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いつまで生きるのか?

高齢の方々と話していて、しばしば次のように問われる。 「はやくお迎えがきてほしい。いつまで生きていなければいけないのか。」 どのように返答すべきか、戸惑いつつ、次のように応えるのが精一杯だ。 「寿命は神様から与えられたものです。必ずその時は...
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庭刈り込みロシヤを思う

キャロライン・ジャスミン様 貴女が我が家の中庭に来られたのは20年前のことでした。注文したバラの木に、しがみつくようにして、黄色い花を咲かせ、まことに華憐な乙女のようでした。 その後、貴女は大きく成長し、今やこの中庭の主。まるでやり手女将の...
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核廃絶訴えた 恩師忘れない

拝啓 K先生 先日、私は先生の訃報を知りました。そして私は四十年前、先生の世界史の授業を思い出しました。広島の原爆を経験され、「これを話すことは、私の義務だと思う」と語り始めました。 中学生だった先生は、早朝、山に芋ほりに出かけ、閃光ときの...
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語らい深める能舞台に感銘

2001年、ユネスコは日本の能を「人類の無形遺産の傑作」に指定した。能を知らないた私には、なぜ傑作なのかわからなかったが、女流能楽師の謡う「砧(きぬた)」を聞く機会があり、納得した。 世阿弥によるこの能のあらすじは、ある夫が妻を残して出張し...
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人生の問いに答える名演奏

「夜と霧」(ドイツ強制収容所の体験記録)の著者フランクルは言った、「人生に生きる意味を問うてはならない。人生が私達に問うている。」 生と死について考え悩む若者達にこの言葉を具体的に説明したかったが、今までできないできた。しかし、先日、インタ...
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恩師への手紙

葛原先生、長い間のご指導をありがとうございました。私は大学に所属したことがありませんでしたが、松阪中央総合病院に勤務中、葛原先生を迎えての毎月の症例検討会はいつもズシッとした大きな収穫がありました。先生から受けたレッスンを振り返り、私からの...
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リビングウイル記した責任

尊厳死 リビングウイル記した責任 尊厳死の宣言書であるリビングウイルを作成することは、自らの行く末を自己決定することであり、尊重されるべき判断だと私は考えている。しかし、臨死期において、これが必ず実施されるという保証はない。その理由には、...
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千の風になって・・・多くの日本人の死生観を変えた歌

- 私のお墓の前で - 泣かないでください - そこに私はいません この歌詞で始まる「千の風になって」は、昨年のNHK紅白歌合戦で、テノール歌手の秋川雅史氏によって歌われ、大評判になった。多くの人達がこの曲によって、慰められたに違いない。 ...
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