エッセイ

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戦争の悲惨さを保存できない不幸

憲法改正の論議を見て思った。戦争体験の記録、特に最も過酷な部分は後世に伝承されず、戦争抑止に役立たないのではと。 目の前で焼夷弾で焼かれた親兄弟、死体の山の腐敗臭、死骸の目や口からわき出るウジ虫・・・・。 これら体験者が記憶する悲しみの極み...
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伊勢物語からのメッセージ

三重に転居して35年。やっと伊勢物語を読むことができた。 これは平安時代にできた短編歌物語集で、多くが、「むかし、男ありけり」の冒頭句を持つ。 読んで最も強く感じたことは、人の心から発する言葉の重みだった。 私はあなたのことを大切に思ってい...
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いじめを受けている若者達へ

いじめられている諸君へ。いじめ対策がどんなに改善しようと、重要なことはあなた方自身のいじめへの基本的な理解です。このことをお伝えしたく、一筆啓上いたします。 我が国の自殺率の水準は世界でトップレベルにあり、20代から30代にかけて死因の一位...
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束の間の平和

核をチラつかせるプーチン大統領、日本を取り巻く安全保証問題、難民問題、北朝鮮の挑発・・・目を外国に向けると、確かに紛争はある。国内では、貧困問題、少子高齢化、人材不足、後継者不足、長時間労働、待機児童、介護問題・・・・数限りない。 世界大戦...
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学校では、心身に適切な机、椅子を

産業医としてある高等学校を訪れ、50年ぶりに教室に足を踏み入れて驚いた。同じ椅子、同じ机・・・・昔と変わっていないなあと。 生徒たちは皆、体型や体験が異なる。かつて閉所に閉じ込められた経験のある生徒、脊柱の変形のある生徒、むち打ち症を負った...
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VDT障害を知ろう

VDT作業とは、VDT(VISUAL DISPLAY TERMINALS)機器、つまりディスプレイ、キーボード等により構成された機器を使用して、データの入力や 検索、文章作成などを行うことを言います。 そして、障害とは、パソコンなどのモニタ...
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危うい均衡下の平和

終戦後の我が国は、戦争の記憶が平和希求の力になっていた。今の世界情勢をみつつ、その力のない者のひとりとして、平和とは何か考えてみた。 「平和とは、北朝鮮のミサイル発射、日米の防衛費の増大、核保有国の核兵器禁止条約反対など、一触即発の緊張に包...
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統計という嘘

ある薬の有効性を立証するには、統計という手法を用いる。しかし研究チームの医師達が、その解析を製薬メーカー側の専門家に丸投げしたことが問題になっている。 19世紀のイギリスの首相ディズレーリは言った、「世の中には3種類の嘘がある。嘘、大嘘、そ...
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知というバベルの塔の崩壊

人間はいつからか言語を用いるようになり、紀元前150年ほど前に紙を発明した。これを契機に本格的な人間の「知」の蓄積が始まったと思う。 これを大きな図書館建設にたとえると、新しい知識や技術を整理して記載し、そこに保存してきた。その後、この知の...
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心から病気になりたがっている人たち

この社会には心から病気になりたがっている人たちがいる。仮病ではなく、病気になりたい、そのほうが都合がいいと願っている方達だ。こういう思いは、特殊ではない。こころからよくなりたいと願いながら、実際ではそういう生活になっていない。ごく普通の私達...
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