エッセイ 患者の意思を最上位におく議論を ALSに関係する嘱託殺人事件は、2004年に横浜でもあった(1)。ALSだった40歳の長男に懇願され、母親が人工呼吸器を止めた。嘱託殺人罪で執行猶予付きの判決をうけたが、母親は悩み、「長男の所に行きたい」と夫に懇願した。致し方ないと考え、夫... 2023.01.16 エッセイ
エッセイ ぶっ壊せガンジガラメ 産業医としてある高等学校を訪れ、50年ぶりに教室に足を踏み入れて驚いた。「同じ椅子、同じ机・・・・昔と変わっていないなあ」と思った。 昔は授業中、じっと座っていなさいといわれ、それが教育なのかと信じた。しかし個人の特性が尊重され、テーラーメ... 2023.01.16 エッセイ
エッセイ 雪よりも白く 静岡生まれ、三重在住の私が雪を見るのは年に1,2度しかない。ひと晩で一変する雪景色は滅多に見れないが、そのたびに私はダビデの祈りを思い起こす。 「ヒソプをもって私の罪を除いて清めてください。そうすれば、私は清くなりましょう。私を洗ってくださ... 2023.01.16 エッセイ
エッセイ いつまで生きるのか? 高齢の方々と話していて、しばしば次のように問われる。「はやくお迎えがきてほしい。いつまで生きていなければいけないのか。」 どのように返答すべきか、戸惑いつつ、次のように応えるのが精一杯だ。 「寿命は神様から与えられたものです。必ずその時は来... 2023.01.16 エッセイ
エッセイ 宗教的理解ほしい医療現場 アカデミー賞を獲得した映画「ドライブマイカー」を観た。そして、題材となったチェーホフの「ワーニャ伯父さん」を読んでみた。主人公の「(生きるって)なんて辛いんだろう」の言葉に考えさせられた。 これへの応答には数々あろうが、一例を私達はこの映画... 2023.01.16 エッセイ
エッセイ 伊勢物語のメッセージ 三重に転居して35年。やっと伊勢物語を読むことができた。 これは平安時代にできた短編歌物語集で、多くが、「むかし、男ありけり」の冒頭句を持つ。 読んで最も強く感じたことは、人の心から発する言葉の重みだった。 私はあなたのことを大切に思ってい... 2023.01.16 エッセイ
エッセイ 般若の悲しみ コロナ禍の前、津市お城公園で、久し振りに薪能を見た。暗闇に舞台が明るく浮かびあがり、まさに幽玄の世界を見た一夜であった。 曲目は源氏物語に題材を得た「葵上」。光源氏の正妻である葵上が、六条御息所の怨霊にとりつかれるという内容だ。 鬼女となっ... 2023.01.16 エッセイ
エッセイ 人生をエレガントに生きる エレガントとは、いろいろな意味があるが、ここでは「単なる装いでなく、根拠のある気品をもつ」という意味です。ALSや、事故、ガン、天災・・など、この世界には様々な辛い体験がありますが、その中でなおエレガントに過ごせるなら、それこそ「幸せ!」に... 2023.01.13 エッセイ
エッセイ 夫婦共謀・・アダムとエバ 夫婦とは、夫はアクセル、女房はブレーキであり、このバランスのもと、なんとか社会で成り立っていくのだろうと思う。 しかし両方がアクセルになった時、異常な力を発揮する。最近、夫婦が絡む報道を見てきて、共謀の罪について考えさせられた。 この最古の... 2023.01.13 エッセイ
エッセイ 戦争の悲惨さを保存できない不幸 憲法改正の論議を見て思った。戦争体験の記録、特に最も過酷な部分は後世に伝承されず、戦争抑止に役立たないのではと。 目の前で焼夷弾で焼かれた親兄弟、死体の山の腐敗臭、死骸の目や口からわき出るウジ虫・・・・。 これら体験者が記憶する悲しみの極み... 2023.01.13 エッセイ