2019-08

エッセイ

知りすぎても、知らなさ過ぎてもいけない

「転ばぬ先の杖」こそ、生きるうえで大切と考えてきた。そして多くの方々にもそうすすめてきた。 アルツハイマー病の患者さんの場合、私は御家族に今後、いかなる状況が繰り広げられるか、説明してきた。今後に想定される介護、専門医のいる病院さがし、介護...
エッセイ

香りの効果で歴史生き生き

次のようなクイズをつくってみた。キリストの「最期の晩餐」のとき、部屋中にある香りが充満していた。それは何の香りか。 ヒント①キリストから発せられていた。ヒント②当時の埋葬につかわれた。 正解は、ナルドの香油。当時としては非常に高価であった。...
エッセイ

冬の星空見上げ人の豊かさ思う

モーツアルトは、死後、しばらく世間から忘れ去られた。その間、彼の楽譜や書簡は、すべて、妻のコンスタンツェが保管していた。世が忘れても、夫の業績を忘れず守ってくれた意味で、彼女の業績も高く評価されている。 しかし、この世界では、「コンスタンツ...
エッセイ

冬のソナタのヨン様へ

拝啓 ヨン様 我が家の女性達は、今やあなたに夢中です。何が魅力なのかと問うたら、妻が優しさよと言いました。 男でありながら、汗臭さを感じさせないヨン様を心で「甘すぎる」と思い、年頃の娘達に、「いい男を見すぎてはいけない。現実を受け入れられ...
エッセイ

痴呆症という解決

我々の多くは老いても、痴呆にはなりたくないと願っている。しかし、高齢で痴呆症のない方々と話をしていると、しばしば次のような言葉を聞く。 「生きる事に、ほとほと疲れました」、「この年になって、何のために生きねばならないのか」。 痴呆にならずに...
エッセイ

不合格通知でよりたくましく

「サクラジマフンカゼズ」、「フグドクアタル」「ダイブツノメニナミダ」。これらは大学受験の不合格通知であるが、見方によっては合格通知より価値がある。 私もかつて東北のある大学から「ミチノクノナオユキフカシ」をいただいた。秋田美人の彼女を追って...
エッセイ

火を見る機会失った現代人

友人達と山でキャンプをした。薪の炎を見ながら、話は少年犯罪から古代人の気持ちにまで及んだ。 大昔からごく最近の時代まで、人間は囲炉裏を囲み、そして炎を見つめながらいろいろ考えてきたと思う。子供達は、暖かさや美しさ、不思議さを。大人は、家族団...
エッセイ

マジックで見た幸せのヒケツ

先日、鳥羽のあるホテルで、マジックショ-を見た。次々に繰り広げられた不思議に、ただただ驚いて歓声をあげた。 当日のフィナーレは、マジックの神様の妙技だった。健康上の理由から、これが最期の来日と聞いた。私達は芸術を感じ、プロの仲間には涙を流し...
エッセイ

涙を流し祈るケシの花

スペインの歌劇サルスエラに、「彼女は決していかがわしい女ではない。彼女は泣いていた、祈っていた。」という歌詞がある。私はケシの花のような女性だなと思った。 ケシ科の花には、スイートピーやヒナゲシがあるが、あるケシの花は麻薬をつくる性質がある...
エッセイ

閑古鳥の子育てに学ぶ

昨年の春、わがクリニックの中庭に野鳥が巣をつくった。何の鳥か、県文の図書館に行き、図鑑で調べてもわからなかった。すると、誰が言うともなく「閑古鳥かな」が、「それにちがいない」と決まった。閑古鳥が巣まで作るとは予想しなかったが、野鳥が巣を作っ...
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